ノア・ガイのバッグデザイナーとしてのキャリアは、2001 年から始まる。
ロッククライミングやトレッキングといった彼のライフワークからのインスピレーション、Levi’s やThe North Faceでのデザイン経験を通して、より普遍的で良質なプロダクトを製作する情熱と知識を得た。
そして2010 年、彼のオリジナルブランド ” JOSHU+VELA ” をスタートする。

 

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— あなたが、ものづくりにおいて大切にしていることはなんですか?

僕らはプロダクトのデザインや製造過程が、ユーザーにとって透明性があることをとても大切にしているんだ。自分が購入したプロダクトが、どこでどのように作られたのかをダイレクトに感じてほしい。特にテキスタイルや革製品などのソフトグッズは、それがどこから来たものなのかわからないことが多い。僕らは、みんなに自分の目で見て確認してほしいんだ。

デザイン、製造プロセス、ユーザーがまっすぐダイレクトにつながるようにしている。そのために、僕らはファクトリーでもあり、デザイナーでもある、6人の小さなチームで動いている。
製造プロセスの中でも、関わるすべての人がいい時間を過ごせるようにしている。そう、すべてが楽しいんだ。僕らはクオリティの高い素材を使って、みんなに愛されるようなバッグをつくっている。デザイナーだけが楽しんでいるんじゃなくて、縫う人も、レザーを切断する人も楽しんでる。いい仕事が「いいプロダクト」をつくるんだと思う。こういう話は食べ物の世界ではよく語られている。シェフが農家のことや素材のことにもこだわりを持ち、より良いものをつくれば、よりホリスティックなライフスタイルがつくれるって。でも、プロダクトの製造に関してはまだあまり言われてないと思うんだよね。

とにかくダイレクトで透明性のある製造過程をつくること。ぼくらは新しいタイプのファクトリーをつくろうとしている。小さな規模で、手づくりにこだわる。小規模のものづくりは、みんながものづくりを楽しみながら素晴らしいクオリティのものをつくることができると思う。もちろん大量生産されたものよりも高価にはなるけど、ラグジュアリーや一点ものとも違う。その真ん中ぐらいを狙ってるんだ。

 

「とにかくダイレクトで透明性のある製造過程をつくること。
ぼくらは新しいタイプのファクトリーをつくろうとしている。」

 

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— なにがきっかけでものづくりを始めたのですか?

僕は元々もっと大きな会社で働いていて、それは素晴らしい経験ではあったんだけど、ものをつくっている人と、出来上がったブランドラベルの貼られたものの間に大きな壁があることに違和感を感じたんだ。それは僕にとって楽しいことではなかったから、自分でやることにしたんだ。

— いまなにかムーブメントを感じますか?(パーソナルなことでも、グローバルなことでも)

僕の周りで、いま気付くことは、ミニマル主義的なものかな。パーソナルなことにおいても、なにか興味をもつことにしても、ミニマルな方向への空気を感じる。食べ物も、もっとシンプルにそのプロセスやつくられ方が明確に表記されたり、洋服においても、ミニマルになってもっと身体のシルエットがみえるものになったり。かさばりや折り目が減ったり。これは、リーマンショックが経済に与えた影響が大きいと思うんだけど、もっと大きなレベルで世界中で積み重なってきたことへのリアクションだと思う。

ベイエリアには、「とにかくやろう」っていうスピリットがあるんだ。とにかくやろうとしている人たちの間では、あまり物事を複雑にしないようにしている、そんな雰囲気があるんだ。フレンドシップとか、古いものに新しい見方を加えてシェアするとか、そんなものがあるんだ。